犬の行動学を心理学の理論を使って考えるシリーズです。これまでに「オペラント条件付け」の基本を記事にしました。今回のテーマは『三項随伴性』を使った理論の説明です。
【随伴性】とは?随伴性の心理学、三項随伴性!犬のしつけで実践
今回の記事の説明をする前に、もし、お時間があったら前回の「オペラント条件付け」の記事をお読みください。
三項随伴性とは何か?!
三項随伴性とは『オペラント条件付け』を元にした理論で「人間がなぜ、どうして、その行動をするのか?」を、A:先行刺激、B:行動、C:結果という3要素から理解します。
【3つの要素の内容】 Antecedent:先行刺激 Behavior:行動 Consequence:結果
これを「行動」と「結果」によって説明します。
例えば・・・、
A:嫌な出来事があった B:ラウンジなどで異性と話しながら飲酒する C:楽しくなった
これが成立したとすると、「ラウンジで異性と話しながら飲酒する」という行動によって「楽しくなった」という良い結果が得られたので、ラウンジでの飲酒の頻度が増えます。
このような「環境→行動→変化」の流れを『三項随伴性』と言います。
「三項随伴性は学習理論の中心概念」でもある!!
トップ写真は、この「三項随伴性」について説明した図です。
A:先行刺激(分別刺激)
⇒行動よりも先か、同伴して提示されることでBの行動が自発されるきっかけとなる刺激
※行動の出現に何の変化も起こさない刺激を「中性刺激」と言います。
B:行動(オペラント行動)
⇒結果に作用される行動
C:結果(強化子/強化刺激)
⇒自発的な行動をしたことで起きた結果によって、行動の出現頻度を変化させる刺激
強化子は、正の強化子と負の強化子に分けられます
・正の強化子:与えることで行動の頻度が増加する結果 ・負の強化子:取り除くことで行動の頻度が増加する結果
「三項随伴性があるので行動が継続する」という理論です?!
行動は、先攻刺激(Antecedents)→行動(Behaviour)→結果(Consequences)という流れがあり、そのことによって「行動」が継続するとする理論です。
オペラント条件づけの行動随伴性では、『行動は結果に依存する・・・』として紹介しましたが、『三項随伴性理論』では、「行動は状況によって発生し、その結果によって強度や発生頻度が変わる」と捉えます。
犬の問題行動をどう分析するか?!
犬の問題となっている行動を分析する際には、必ずこうした「ABC分析」を行い、その行動がどうのように機能しているのかを分析します。
望ましくない行動に機能を持たせないようにし、新たな(望ましい)行動に機能を持たせれば行動は変容するとするのが行動療法の基本的な考え方です。
まとめ:犬のしつけのほか、人間の行動についても当てはめ可能!!
筆者は現在、専門のドッグトレーナーからマンツーマンで指導を受けています。しつけの中心となるのが「行動随伴性」を使ったドッグトレーニングです。
この理論は「人間の行動」についても当てはめることができます。元々は心理学の領域で「人間のための理論」ですから当然ですね。
その中でも、好ましい行動を増やしたり、不適切な行動を減らすための「三項随伴性を利用した治療法」があります。
・増やしたい行動や減らしたい行動をABCに当てはめる ・「ABC分析」のどこを変えれば期待する結果が得られるかを検討する ・実際に行動や結果を変えて検証する
今回の記事はここまでです。最後までお読みいただき心より感謝しております。
追伸:筆者は、ペットショップでトイプードルを飼いませんでした。
ブリーダーからの直接販売で「トイプードルのオーナー(飼い主)」になりました。
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